減築というリフォームが増えてきた

減築というリフォーム用語は、まだあまり見かけることが少ないですが、実は確実に増えてきているようです。朝日新聞や日経(日本経済新聞)、また、WBS(テレビ東京のニュース番組「ワールドビジネスサテライト」。メインキャスターは、小谷真生子)でも、最近の注目されるリフォームのひとつとして減築を取り上げていました。従来は、いや、まだ今でもそうですが、家全体をリフォームする際には、減築ではなく増築が一般的です。特に日本では、限られた土地を最大限広く使いたいという意識を持った人が多いので、リフォームの機会に制限ぎりぎりに建物を建てるのが、言ってみれば普通の考え方でしょう。普通に考えたら、減築なんてとんでもないことです。日本、特に都市部では、自分の家を充分広いと感じている人はそう多くはないでしょうし、リフォームと言えば、土地に余裕があれば、また、お金があれば、もうひと部屋多くしたいとか、平屋の場合は2階や3階建てにして部屋の数を増やす増築リフォームを考えます。しかしながら、ここへきてだいぶ状況が変わってきたようです。

人口減少と減築

今までとは逆に、減築により建坪面積を狭くするリフォームが確実に増えてきているのです。減築とはなんとも贅沢な話だと思えてしまいますが、実はそうではないのです。この減築の大きな要因は、はい、もうお分かりでしょう。そうです。小子化による人口減少、日本全体の老齢化によるものです。子供が成長し、家を離れ、親とは別に家を構え、その子供は子を産まないため、親の建てた家に戻る必要も無く、老夫婦の世帯が続くことになるため減築したほうが住みやすいという実例多いようです。今はこの実例が多くても、これからはこれに加え、その子供が構えた家の場合は、その子供が子供を産まないため、ますます減築傾向は増えていくかもしれません。減築の実例は郊外や地方だけだろうと思いきや、都市部でも減築の実例が増えてきています。住宅リフォームとはもともと、住まう家を建て替えずに、さらに住みやすくするためのものです。最近では、住宅リフォームをサスティナブル・スタイル(「持続可能な」という意味)という呼ぶ人もいるようです。地方であろうと、都市部であろうと、老夫婦の家には、何部屋も必要ありませんし、足腰が悪くなれば、2階建て以上の家は、実際には1階部分しか利用しなくなります。そのため、2階建て以上の家を平屋建てにしてみたり、減築して空いた面積を家庭栽培農園にしてみたり、駐車場にしてみたりするわけです。

都市再生による景観の美化と減築

このように、減築による住戸外のオープンスペースの確保を重要視する考え方も多くなってきているようです。減築と言えども、土地を有効に利用するプラス思考に基づく手段といえるでしょう。また、ものの考え方が変わってきたというのも、減築傾向の原因のひとつです。今までは、親が建てた家に子供が所帯をもって2世帯で共に住むのが日本の風習でしたが、最近では、子供が所帯を持っても別々に住むという家がめずらしくなくなりました。もうひとつ減築が増えてきた要因としては、耐震があります。家は物理的に、小さいほうが倒壊の可能性が少なくなりますので、無駄に大きな家にしておくよりは、そこに住む人数に合わせて、小さめに建てたほうが、また、2階建て以上の家屋より平屋建てのほうが安心できます。中には耐震性能を高めるためにリフォームで鉄骨住宅に変身させる人もいますが、街の景観を考えても、日本では木造平屋建てが多い街のほうが、きれいに、そして高級に見えます。都市再生で一定の地域を平屋建てに制限するのも、そんな街があっても良いのではないでしょうか?日本でも実現してもらいたいプランだと思います。高級住宅地と言われる芦屋、大和郷、近衛町、池田山、浜田山などで、新規に建てたりリフォームする家は平屋に制限するというのも、おもしろいかもしれません。

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